MUZMUZ 15 木 下
2024年08月03日 盛夏 とにかく暑い。 暑いと体はしんどいが、 ぼう~となって 心配事や悩みはとけて小さくなり、 気持ちが おおらかになって、心の健康/休養には良いように思える。 若い人たちの夏休みが始まった。夏休みに関係がなくなって久しいが、 街に漂う陽気は 私のような高齢者にも伝染し、心が何となく弾む。 もっとも心は弾んでも、体は弾まず、思うように動かないのは残念だ。 それでも若い人たちのエネルギーに交わろうと、「熊谷うちわ祭り」に出かけた。 夏休みの開始と時期を同じくして 3日ほど続く。 市街中心部のかなりの広さに亘って、町内ごとの山車が、鉦や太鼓とを打ち鳴らし、 おびただしい数の 屋台が軒を並べる。 子供,青年、年頃の娘さん達も 祭りの法被と鉢巻きで凛々しく、魅力的だ。 以前なら、祭囃子を肴にビールを飲み、屋台の焼きそばを食べ、 熊谷名物の「雪くま」(かき氷)を食すのだが そぞろ歩きが 体力の精一杯で、飲食は家へ帰ってから、という現状、 いささか残念ではある。 私が住む鴻巣市にも夏祭りはあるが、なぜか時期が少し早く 梅雨明け前なので今一つ、 やはり時期が大切だ。 浜松市と共に 摂氏41.1度という 日本一暑いという記録を逆手に, 「暑いぞ熊谷!」を標語に 街おこしを期している熊谷だが、 記録は まだ破られていないものの、昨今は日常的に、当地を上回る熱波に 見舞われているところが あちこちに多く出てきている。 夏の初めに、2階のエアコンと 1階の扇風機が壊れた。 老朽化しているのは 自分だけではない、家も備品も 衰えてきていることを再認識。 暑い時は、読み物も 軽いエンターテインメントがよい。 数年前から読んでいる、今野 敏「隠蔽捜査シリーズ」の最新版(第10巻) 「一夜」を読んだ。 このシリーズは読みやすくて面白く すいすい読みすすめられるが、 今回の作品の出来は 今ひとつだった。 この作家は 警察組織やその捜査に詳しい。小説ではあるが、 相当、取材に時間と力を注ぎ 蓄積があるのだろう。 ストーリーそのものよりも、警察庁、警視庁、県警、警察官の階級、 キャリアとノンキャリア、刑事部、警備部、公安部、捜査課、総務課など 組織間の関係と軋轢、捜査本部の在り様/費用、管理官、理事官とは? 暴力団対応の組織、などなど、おかげでかなり詳しくなった。 2024年度本屋大賞「成瀬は天下をとりにいく」は 漫画のような表紙絵を見て、 どうかなと思いつつ読んだが、個性的な女子中学生/高校生が主人公、 孫の居ない私としては、近年の女子中高生の生活は こんな風なのかなと思いつつ、 それなりに面白く読んだ。 木内 昇「かたばみ」は読みごたえのある作品だった。 著者は私の姓名と一字違いだが きうちのぼりと読んで女性である。 かたばみは ハート型をした3枚の葉がある多年生の植物で クローバーのような 形をしていて 家紋によく使われている。食べると少し酸っぱい味がするらしい。 主人公は 体が大きく体力のある女性で、元やり投げ競技の選手だった小学校の教員である。 時代背景は 太平洋戦争の戦前、戦中、戦後であり、主人公を中心に 複数の家族の生活が綴られている。時代や社会はとても厳しいが、心温まる物語である。 警戒警報や空襲警報、B29の爆音、焼夷弾の雨、戦中戦後の食生活、小学校での戦後教育など 私たちは、子供心にもよく記憶しているので、内容はとても心に響く。 もうすぐ、広島、長崎の原爆の日、そして終戦記念日がくる。 ゴルフ仲間で久しぶりに会って、暑気払いをしたが、 会合の前に、5月に亡くなったゴルフ仲間のF氏の自宅に立ち寄り、 お線香をあげた。新盆である。 (熊谷うちわ祭りは写真を撮らなかったので、市の広報から。) |
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