MUZMUZ 15 木 下
2023年09月27日 9月 9月は 私の誕生月なのですが、一年で最も苦手な月です。 昼間は少し作業すると 汗びっしょりになる。朝夕は気温が下がり 半袖から長袖にしても 体がついていかず、咳と微熱が出る。 喘息の持病で気管支が弱いのが原因でしょう。例年のことで慣れていて 生活に支障があるわけではないのですが、適応力が年々落ちてはいるようです。 貴メールに「座ると骨があたるのは嫌なもの」とありますが、 「やはりあなたもですか、ご同輩!」という感じです。 私も何年も前から、自転車でも、畳でも、車のクッションの縁でも 尾骶骨が痛い。尻の肉が落ちて弾力が亡くなっているせいでしょう。 若い人に言っても、フーンという感じで共感は得られない。 やはり同年配ならではの共感。 このところ難聴が進んだようで、補聴器をしていても良く聴き取れない。 補聴器も耐用年数7年ぐらいとかで、今年の春に修理したが、 もうこれから 修理は出来ませんよと言われた。 そこで久々に耳鼻科に行き検査。結果、聞こえの程度は、両耳とも60デシベル。 中程度から高度難聴の間位。20デシベル以下が正常で、30~40デシベルで軽度難聴。 両方の耳が70デシベル以上、または片方が90以上で もう一方が50デシベル以上なら 難聴で障害6級になり、それなりの恩典もあるようだ。 私の友人が昨年障害6級に認定され、障碍者手帳を持っているが、 補聴器をしていても かなり会話がトンチンカンになる。 新しい補聴器を購入するか、迷っている。補聴器は眼鏡に比べ高い。 まあ、車を買い替えることを思えば、それよりは安いけれど、、、。 近在に親しい知人夫妻がいる。私の誕生日を覚えていて、 ご自宅の食事に招いて頂いた。 やはり何だか嬉しい気持ち。夫人は中国系シンガポール出身で、 亡くなった私の妻と姉妹のように仲良くしていた。 このF夫妻とは 40年前からのお付き合いで、10~15歳ほど私より若い。 夫人は朗らかかつ活発な方で、英語、中国語はネイティブ、 日本語は読み書きはともかく 会話は全く問題ない。 中古機械類の売買の仕事に従事していて 2年前にリタイア、 F氏は精密玩具の会社に勤務していたが 10年ほど前にリタイヤ。 お二人は香港駐在時代に知りあって結婚、F氏は無口だが仲の良いご夫婦で 息子/娘さんともすでに家庭をもち孫もできている。娘さんは結婚後も 仕事をしており、日本語、英語、中国語それに仏語もこなすキャリアウーマン。 妻の病気/逝去以来何かとお世話をかけている。 折々に “Don’t hesitate to call us anytime when you need help.” というメールをくれる。一人暮らしの高齢者には有難い存在。感謝、感謝! 彼女は「わたしは値切るのが得意、家電を買うときは私に交渉させて」 というので、我が家のエアコン2台は彼女の手を煩わし、かなり安く購入した。 近隣の家電スーパーを複数チェックして 事前調査等もしているのだと思うが、 天性の素質があるのでしょうね。上手く交渉できた時は達成感があって、 とても楽しく、充実感があると言っている。 2か月ほど前に夫人の母親(シンガポール在住)の健康が重篤な状態になって ご夫妻でシンガポールに暫くの間行っていた。 結局そのまま104歳で逝去されたが大往生だ。 この前後の写真をTVの大きな画面で見せて頂いたが、 それこそ大家族が集まって 強い愛情と絆が感じられる写真だった。 家族の中には、豪州やカナダに移住しておられる方もいる。 優秀な方の多い家系のようだ。中でもF夫人のお気に入りは すぐ下の妹の娘, つまり姪で、数年前にハーバード大学の卒業式があり、F夫妻は卒業式に ボストンまで出かけていた。彼女は現在、シンガポールで裁判官の任にある由。 様々な分野で、国ごとの評価/ランキングが発表されるが、日本がこのところ ランキングを下げ続けている一方で、シンガポールは常に上位に顔を出している。 小さな都市国家なのにと思うのだが、この一つの大家族のバイタリティーに その理由の一端を見る思いがした。 過日、芥川賞が発表され「ハンチバック」が受賞した。 著者は市川沙央さんという 重度障害のある方。 TVの記者会見を見て気になっていたので、 先日図書館で 文芸春秋に載っているのを読んだ。 ハンチバックは せむしの意味だが 現在は差別用語で使われない。 ヴィクトル・ユゴーの「ノートルダムのせむし男」を もとにした劇団四季の公演も「ノートルダムの鐘」という演目名になっている。 で、その作品だが健常者優位社会への怒りというか、著者の発するエネルギーが ド迫力で迫ってくる。圧倒される。 性描写も赤裸々で、著者の父親が作品を見て、破廉恥だと怒ったらしいが、 理解できる。でも、受賞後は父親も思いを新たにしたらしい。 次は愛をテーマにした作品を書きたいと 著者は述べているが、 どんな作品になるのだろう。 木下 |
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