第18回 東京15会 報告  (敬称略)  06/10/23



         

 
秋の日は暮れるのが早い。午後5時半には、四谷もすっかり夜の佇まいとなり、
街の灯りが明々と点っているものの、曇り空のせいもあって、
聖イグナチオ教会の塔も、ぼんやりとしている。

今日は、谷口が東京の会に、初めて参加する。
六甲卒業以来、私は会っていないので、39年ぶりだ。 
1998年の卒業40年記念同期会には出席できず、彼の講演は聞いていない。 
どこかの邦銀で穏やかな銀行マン生活のあと、神父になっていたものと思っていた。 
中年の社会人から神父になるのは、大変だろうなとも思っていた。

先日、彼の著書を八重洲のブックセンターで求め読み、これまでの彼の歩んだ軌跡の密度、
赤裸々な心の開陳、ひたむきな情熱と勇気にたじたじとなった。

今日は、久々に藤井も来る。彼の瞑想の本も大分前に読んだが、
ここにも自分をさらけ出す勇気を見た。

今日の会合は楽しみだ。 と同時に、ある種の妙な緊張感も覚えつつクラブのドアを押した。
いつものように、山本がいて、会場設営の世話を焼いている。
もう田嶋も来ている。ほどなく、大熊 森寺 塚本 宮本 土屋 吉井が、続々と
そして、谷口もキャリーつきバッグを牽いて現われた。
バッグには著書が入っているのだろう。 
やがて、宗が姿を見せ、「やあー」と谷口と握手する。
この前いつ会ったのだろう、暫く振りなのだろうか。

1) まずは、名簿順で、鎌田に乾杯の音頭をとって貰う。
 今日の出席者は、                              
         大熊 加藤 鎌田 宗 高田 竹内 塚本 土屋 藤井 宮本 
         森寺 安本 山本 余田 木下 
         そして 神戸から田嶋
              長野から谷口 
              豊田市から吉井 
          計18名 東京の会としては 賑やかな人数となった。

 恒例により、幹事より 欠席者と会計の報告。
   池田 ご家族が病気療養中で欠席
   石丸 海外長期出張中
   蔵野 島村 鈴木 若林 は直近の様子はよく判らぬが、これまでの
                       経緯から、療養/静養中と思われる。
   堂野前 井勢 吉田 は様子よく判らず。

2) 本会も回を重ね、お互いの動静に理解が進んでいるので、形式的な
 近況報告抜きで、自然体で歓談を楽しむことを旨としているが、
 初めて参加した谷口、久々の藤井 遠来の田嶋 吉井の話はやはり聞きたい。

 田嶋 伯友会会長の重責を全うし(感謝!)、会社の仕事からも解放され、
     写真とゴルフを楽しむ日々。慶応大150周年行事の一つとして開催中
     (銀座松坂屋)の写真展に作品を3点出品。
     来年の兵庫倶楽部の写真展の準備、取材に忙しい。
     先般、中国桂林に プロを交え4人で撮影旅行した(15会HP参照)。

 国重がうどん店の再建のため、社長を引き受け奔走中の話も披露。
 
 翌日の予定の為、早目に退席するため、早速に六甲75周年行事の為の
 カンパを集め、彼に託す。


 谷口 本拠地は、高松なのか、横浜なのか、はたまた長野県なのか
     疑問に思っていたが、やはり長野県野尻湖国際村という事で決着。
     どうして又別荘などに?ということについては、次の通り。
     80年前 プロテスタントの宣教師が、閑静で思索に適した街づくりをしようと、
     候補地を野尻湖湖畔に定め(軽井沢はいずれ俗化するとの判断)、
     300戸の別荘地を造成。
     このプロテスタントの地にどういうわけか、カトリックの某大手商社マン
     夫人がおられ、同夫人からタダで譲り受けたとのこと。

     同窓会という限られた時間の中で、彼が語ったことは
     主に高松の神学校設立の背景や、この神学校に関連、
     日本のカトリックの教団内部における摩擦等であるが、

     彼の問題意識を簡潔にいえば、
     日本のカトリックが、一定の人数の信者の司牧にとどまり、ミッショナリー、
     宣教活動という点で十分機能していない、組織や制度に難点がある
     という事と理解したのだが。(司祭の人数やその配置、少子化の中での
     司祭志望の減少への対策など例をあげていたと思う)

     彼の熱意と真意は、上智大から外資系バンカー、そして神父への
     心の軌跡と、その実生活の変遷を辿らねば、適正に理解できないのでは、と思う。
     ここで余計な記述をせず、彼の著書を読んで貰うのが最善と思う。

     バンカー時代の経験から、世の中を動かす陰の世界についての言及も
     あった。これは宗教とは別の、生々しい政治経済の話だ。


 藤井 某大手メーカー退職後、外資系の社長、介護関係の会社社長をしていた事は
     よく知るところだが、現在は六本木に事務所を構え、
     Executive coaching  リーダー塾に注力している由。
     「まだ、自分に与えられた天命がなにか、判らない。かって、ヨガに出会い、
     永年毎日の瞑想を続けているが、カトリックに相通じるものがあると思う。
     谷口の著書はいい本で、文章のうまさにも驚いた」との弁。

 吉井 毎日二時間半から三時間も、プログラムに基づいた運動(体操)をしている。
     凡人に出来る事ではない。
     このところ、陽明学研究にはまっているようで、陽明学では
     「知行合一」がキーワード、正しいと思ったことに突き進む。
     その体現者は、著名人では、大塩平八郎、西郷隆盛、三島由紀夫
     等々とのこと。

     かって英語の勉強時、ペリーメイスンの会話部分のみピックアップしたところ
     学校で習ったことと全く違う点に気付き、目から鱗が落ちたという。
     若い頃以上に、好奇心旺盛で、行動力もいや増しているように見えた。

 宗   最近、不眠症に悩まされている由。今日はワインもひかえている様だ。
     日本のカトリックの真っ只中にいる彼に所感を訊ねたところ、
     「組織にはどうしても、欠陥もでてくる。それに飽き足りず、道を求めて、
     本物が得られるのであれば、いいと思う」 という要旨と理解した。

3) 三々五々随所に話が拡がり賑やかでフォローできず。
 ここで鎌田より、皆に依頼があるという。
 彼は次々と、新しい仕事(プロジェクト)に取り組み、
 15会の度に、興味深い話をしてくれる。
 現在は、鳥取大学のコーディネーターとして、大学経営集客(集学生) 
 学生の就職に力を貸している。 

 12月、3月に砂漠セミナー(砂漠化対策?)をやるので応援して欲しいとの要請。
 (高田から、大学の連携の必要性について意見が出ていたようだが
 新しいワインを取りにいっていたので、残念ながらよく聞き取れず)

 土屋からネパールで活動中の大木先生の話が出た。
 体調をくずされたとか。土屋は以前からずっと応援、支援をしている様だ。

 いつもは辛口評論の森寺が、今日は黙々とカメラマンに徹している。
 えんじ色のお洒落なシャツが映える。
 歓談が尽きず、9時を過ぎてしまった。

4) 次回予定
 来年春の東京15会を 4月20日(金)18:00よりと決める。
 なお、次回から土屋が幹事役となり、彼から案内が出る。

 六甲の同期会ということで、心を開いて語ったことを、
 HPとはいえ そのまま文章にするのは、適切とはいえまい。
 前後の脈絡がなければ誤解を生む事にもなる。
 一方、畏友達の真意と熱意は少しでも表現したい。 
 些か悩みつつも、言葉に気をつけて綴ったが、
 聞き違い、誤解があれば、ご容赦願いたい。

 武宮校長が偉かったのか、伯母野山の環境が良かったのか、
 味のある尊敬できる同期生達に恵まれた。
 次回会合が楽しみだ。

  木下