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2023年08月12日 大町〜黒部〜宇奈月旅行記

<期間>
2,023年7月14日〜16日(2泊3日)

<同行者> 
妻、次男夫婦(私を含めて計4名)

<コース> 
14日 川西市の自宅から 次男運転の車で大町へ。(1泊)

15日 大町扇沢で車を乗り捨て、宇奈月温泉まで車を回送依頼。
扇沢から電気バスで、石原裕次郎の自作映画「黒部の太陽」で有名な
関電トンネルを通って黒部ダムへ。

ここから約18kmが関電の主催する見学コースの黒部ルートで、
「黒部ダム〜第4発電所〜欅平」を約4時間掛けて巡る。

国立公園の景観維持のため 地下にある第4発電所で持参のお弁当。
欅平から宇奈月は、観光用に転用された トロッコ電車黒部峡谷鉄道で
1時間15分の展望遊覧。宇奈月温泉で1泊

16日 大町扇沢から回送した車で帰路につく。

今回は2泊3日の短期であるが、最大の目的は
関西電力の「黒部ルート」の見学であり、大変有意義な体験ができました。

黒部ルートとは、関電が黒部奥山において
電気事業運営のための 資材や工事作業者を運搬する輸送設備で、
大変な難工事を伴った 歴史に残る偉業です。

黒部渓谷一体の電源開発の歴史は 大きく2段階に分けられると考えられる。
大正時代から 黒部渓谷発電事業の将来性は予測されており、
東洋アルミナムが最初の計画をした。その計画は日本電力に引き継がれ、
昭和12年までに 宇奈月から欅平までの資材運搬軌道
(年間100万人の観光客が利用している現黒部峡谷鉄道)を開通させている。その後、第二次世界大戦開戦に関連した 電力逼迫から開発が加速され、
欅平から仙人谷(ダム取水口地点)に至る軌道隧道を 昭和14年までに
完成させた。
この間の難工事、特に約500mにおいて 岩盤温度が160℃以上に達し、
高温下での 想像に絶する作業環境に加え、爆薬の自然発火や
作業者の宿舎を 2回も襲った未曾有の「ホウ雪崩」により
約110名が一瞬に犠牲になった 自然の猛威など、日本トンネル工事史上に
残る多数の犠牲者を出した難工事でした。

その詳細は 軍国時代であり秘密事項が多いと考えられるが、
吉村 昭氏が 何度も黒部へ足を運んで調べた記録小説「高熱隧道」を読み、
生々しい実態を知ることができ 震えを感じざるを得ませんでした。

以上が第1段階で、第二段階は戦後の高度成長期の電力逼迫を背景に、
関西電力により、昭和34年に黒部第4発電所開設に伴う
仙人谷〜地下発電所地点〜ダム地点間の 工事用トンネルが開通し、
ここに宇奈月から黒部ダムにいたる 資機材輸送ルートが形成された。
同時に大町からの資材運搬ルートも 並行して進められたが、

ここでのトンネル工事でも、
トンネル先端近くの地盤が膨張して 80cmも盛り上がり鉄製の支柱が
圧力に耐えかねて破壊する「破砕帯」に遭遇した。
また僅か約80mの間に、4℃という身を切る冷水が最大で毎秒660リットル
噴出し掘削は困難を極め、1ヶ月間に進んだ工事距離は たったの8mで
あったそうです。

7ヶ月間の苦闘の末 ようやく破砕帯を突破したが、
この間の湧水量460万トンという 途方もない量であったと言われている。
この様子は、石原裕次郎の映画「黒部の太陽」を最近観直して、
その過酷さが良く判りました。

第1段階と第2段階の 一連の難工事による犠牲者は300数十名と
公表されているが 恐らくその倍以上になるだろうし、
多数の韓国人の強制労働者が 導入されたに違いないと推察しています。

このような事前の情報を頭に入れた、
今回の「黒部ルート」の体験ツアーは 大変貴重な経験になりました。

 因みにこの体験ツアーは今年で最後で、
参加応募者の中から 抽選に当たった者だけが無料で参加でき、
当選確率は20倍だったとのことでした。
来年からはJTBの観光ルートとして生まれ変わり、
有料で申込める予定と聞きました。料金は2万円位との話もありますが、
大町から宇奈月へ行ける唯一の交通手段としては妥当かもしれません。


word 黒部原文 Click



今後の旅の計画は

来週17日〜19日に、昨年も行った 蒜山高原で避暑をしてきます。
帰ってきて25日に、先日の検診で便潜血検査 陽性が出たので
5年ぶりに 大腸カメラ検査を受けます。
何もなければ 10月末からの九州の旅の計画を始めます。

話は変わりますが、昨夜NHKテレビで 六甲学院伝統の体育祭総行進に関し
練習開始から 体育祭本番までの様子が、
30分のドキュメンタリーで放送されましたが、
昔が懐かしく思い出されました。

しかし、多様化時代の到来により 今年から全員が裸でなく
着服が認められるようになり、それなりに消化されていましたが、
何となく違和感をあるとともに、何でも多様化と言い過ぎる
悪い一面も なきにしもあらずと感じました。

ではまた!

(上記、テレビをご覧になってなかったら、
 録画したので ブルーレイディスクに ダビングして送りましょうか)















































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