MUZMUZ 15  木 下





近況報告(15会)木下 昇               2020年9月1日 

3月以来6カ月間巣ごもり生活が続いている。
埼玉県は東京都に隣接し新型コロナの感染者が多い一方で、
全国都道府県の中で、人口当たりの医師の数が最も少ない県であり
高齢者としては油断できない。

15年前の退職で生活は大きく転換し、旧知の人たち、新しく知り合った人たちとの
東京圏や地元での交流が、生活の中心になっていたが、コロナですべて中止。

日曜の教会の公開ミサは 7月再開されたが、人と人との距離を取るため、
グループに分け隔週の交代制、かつ75歳以上は感染すれば 重症化リスク高いため、
未だ参加できない状況が続いている(80歳以上致死率28.3%)。

外食も控えているので自炊が増えた。レパートリーは少ないが手際は良くなった。
もっともフライパンと電子レンジの使用が多い。一人暮らしで会話なし。
飼い猫に話しかけても ニャンとも鳴かず、何事かとじっと見返すだけ。

耳がますます遠くなり 補聴器を付けているが それでも聴き取りにくい。
で、電話は敬遠し要件は 主にメールで済ませている。
字幕がなければ映画,TV、動画もあまり聴き取れない。

当初2-3か月はストレスが溜まったが、今はそうでもない。
長めの黙想生活をしている様な感じで落ち着く。
図書館で本は借りられるし、スポーツジムも営業している。
ジムまで往復10q、自転車をこいで運動とし ジムでは大きな風呂に入るだけ、
すいている時間を狙って行くので 感染リスクは少なかろう。

5年前に心を突き動かすものがあり、カトリック信徒としての日常を取り戻した。
数十年ぶりになる。
12年前にガンで逝った妻が所属していた 単立バプテスト教会の人たちは信仰心篤く
敬愛できる方々で、私は教派が違うが 同じキリスト者として共に礼拝に参加していたが、
所属教会に戻りたいとの心情を話し理解を得た。

現在も時折の交流は続けている。
六甲教会に 永年置いたままにしていた教会籍を 正式に熊谷教会に移した。
熊谷教会は ミサ出席者80人ぐらい、うち30%はフィリピン/ベトナム人で、
地方の小さな教会である。

体力は落ちたがまだ動けるので、運営に微力を尽くしている。
ことに木造築65年で老朽化した 聖堂/信徒館/司祭館の改築計画に取り組んでいる。

退職、妻の死、カトリック教会復帰、コロナ禍などの節々で 生活は転換変化したが
ワクチンが開発/普及したコロナ後は、AIなどによる産業革命とも相俟って
新たな変革に遭うだろう。

死は新たな生命への通過点と信じているので、そんなに永くはないと思われる
これからの歳月を 精いっぱい生きたのち、新たな世界での諸兄との交流を期待している。

そこは、時は流れないのか、どんな法則/理で動いているのか、実に楽しみだ。