農 奴 か ら 兵 奴 へ   22/06/09






洋上の荒波と暴風雨に荒れ狂う太平洋に、
またしても単独航海でサンフランから和歌山への
83歳の堀江青年!の偉業。
次回は100歳で挑戦するとか。
綿密に計画され一寸のスキもない実行と達成の成果!

嫌なことも多いが、彼の行動に励まされ一文の起草。

吉井



農奴から兵奴へ

プーチン・ロシアの
5月9日対独戦勝77周年軍事パレード
そこでの最大の注目点は 主役の彼が
どのような内容の演説をするか?の世界が注視。

彼に対する世界的視野の今の状況下では
随伴する軍礼装きらびやかな将軍達も
北朝鮮の軍事イベントと重なり
彼らが 今では操られ人形の
異様な武装集団と写る。

その昔 世界各所にいた「農奴」は歴史上の事実 
領主や地主に隷属して 与えられた土地を耕し
様々な制約を受けて 土地に張り付かされ
転居も逃亡も転業も許されず
その身分と生活が代々に続いた 農民達=農奴。

まさにTV眼前は「兵奴」の行進であり
偉業・栄光・戦功・祖国愛とは無縁の集団であり
服従と威嚇だけで支配される
侵攻と侵略を 解放と叫ぶ領袖に隷属する「兵奴」。

一時は世界を惹きつけたであろう 
マルクス・レーニン思考や
それに裏打ちされた共産主義や主張も
スターリンの政(所為)で 
その後見人としての役割を終え
独裁者や独裁党がもてあそぶ抑圧武器と化した。
 
不安から逃れるためには ひたすら
敵を創り 同胞を扇動と誘導に情宣し
手っ取り早い侵攻や侵略に走り
染みついた無謬主張体質の頑強さで
正常への覚醒回帰は 不可能になる。

今まで 相対する
自由、民主主義、人権、法の支配の
四つの価値観を叫ぶ 陣営の脆さと危うさ
何故なら この価値観に目を付け
実行はしないが 利用しているのが
露中やその他の独裁政権の国々。

侵攻も戦争も経営も
勘定科目(現金、備品、資本金、売上)は必須だが
プーチンは戦力 つまり備品への依存の
愚直なまでの単一勘定科目主義者にみえ
前進(侵攻)のみの一次元の世界に埋没する。

では、何故に埋没するか? 世界地図を広げれば済む。

世界順位  国名  面積 km2  比 率

1   ロシア    17,124,442   100
2   カナダ     9,984,670    58
3   米合衆国   9,859,998    57
4   中国      9,672,018    56
44  ウクライナ    603,550   3.52
48  フランス     551,550  3.22
62  日本       377,974   2.20
63  ドイツ       357,022   2.08
78  イギリス     243,610   1.42
97  北朝鮮     120,538   0.70
107 韓国       100,033   0.58

ロシアやプーチンからすれば
ウクライナ以下の国々は 目くそ鼻くそ程度であり
「いてこましたろか!」でチョン。

事実、ウクライナは数日で陥落と見積もっていた。

権力者への反論を絶対に許さない論法と
操作されたマスコミのやってきた
「真実の声」を報じないことに
慣れ親しんだ内外の追従者の惰性も
この理不尽な侵攻により 思考の方角転換を
させられた 世界の人々も多いようである。

ソ連やロシアの歴史的評価・評判と
思想的意義を都合よく解釈して
文化的意義を前面に掲げ
また 追従者による 難解な象徴的な価値の創造で
事大主義を育成した結果 ロシアの今がある。

だが、冷静に色眼鏡を外して観れば
二点に注目すべきである。

① ロシア・ソ連・ロシアには
  目先の戦術には難があるが 戦略には優れている。
  10世紀初頭(907年)からソ連邦誕生(1917年)
  の間に他国とは100以上の戦争・内乱
  (正確には113)を経験し
  歴史上 まれなる「戦争のプロ」であり
  「平和連呼」や「話し合い」の通じる相手ではない。

⓶ロシアが見据える将来の敵は
 分断・分裂するであろう米国ではなく
 中国であり 両国の国境は4,200kmで対峙。

ウクライナ侵攻は 中国や付随する北朝鮮への
恫喝であり 中国も北朝鮮も それを現実に理解できた。



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