電子書籍 解説  2021/03/13

森 寺


電子書籍

紙の書籍が、印刷された紙面上で読まれるのに対し、
電子書籍は、電子デバイス(PC、タブレット、スマホ、など)上に
ディスプレイされたものを読まれる。

電子書籍は以下の2形式に大別される。
 A.文字列、図、線、などと、紙面構造(ルビ、間隔、など)とで
  構成されるファイル形式。
 B.書籍の紙面を画像群としたファイル形式。

 A形式では、その記述形式より多くのバリエーションがある。
  1)AmazonがそのKindle本のために開発、標準化したMOBI形式
    (また、これにコピー・ガードのためDRM(デジタル著作権管理機能)
     付加したAZW形式)
  2)米国標準化団体IDFが標準化し、これに日本語対応機能を付加したEPUB形式
  3)著作権が切れた書籍の無料サイト青空文庫が開発した青空文庫テキスト形式
  4)PCでおなじみのPDF
  5)その他

電子書籍の作成はA形式、B形式で大きく異なる。
 A形式のファイルを作成するためには、まず紙の書籍を裁断し、頁 by 頁に
 イメージ・スキャナーでスキャニングし、画像ファイル群を作成する。
 その後、これをOCR(光学式文字認識ソフト)により、文字列に変換した後、
 これを紙面構造情報ともに 各形式の所定規則に則り、ファイルを記述し作成する。

 一方、B形式は上記の画像ファイル群を圧縮すれば、ファイル完成である。

 一冊の電子書籍のメモリー量は、
 A形式では 数百KByte、B形式では数十MByte、で約100倍程度の差がある。

電子書籍を読むためには、それぞれ、各電子デバイス毎に準備された
 Viewer、Readerと言われるソフトで、デスプレイ上で読む。
 A形式ファイルの場合は、一般にデスプレイの大きさに応じて、文字大きさ、
 1画面で表示する行数、一行の字数、及び字体(フォント)を読者が指定できる。

 これに対して、B形式ではデスプレイの大きさに関わらず、紙面の一頁がそのまま
 表示されるため、スマホなどでは、文字が小さくなり、限界があるが、
 その反面 紙面の風合いが そのまま表現されるというメリットがある。


さて、私は最初は、Sonyの6インチ電子書籍専用端末で スタートしたため、
A形式の青空文庫テキスト形式で始めた。
書籍ファイル作成には 1冊/半月程度は掛かった。
その後、6〜7年前から、9.7インチiPadを使うようになって、B形式に変えた。

iPadだと、デスプレイが紙の文庫本の2倍あるから、古い小さな活字の文庫本でも
1頁表示すれば、老眼でも十分読めるし、B5版の単行本でも問題はない。
また、カラーの図、等が多い芸術関係書籍は最適である。
漫画本は、B形式の典型であり、ネット上に違法サイトが多数あり、
容易にダウンロード出来るため、1千冊近くたまった。

私は、Amazonを始とする 有料電子書籍は一切使用していない。
有料であること、書籍の風合いがないこと、当面は所蔵の書籍の電子化が
最重要課題であるからである。

なお、先に記述した様に、B形式書籍は、メモリー量を多量に要する欠点があるが、
現在のiPad Airでは256GByte あるため、一万冊近く常駐化出来るし、
またCloudを用いれば、数万冊を容易にアクセスできる。