余田 メール  18/04/14

カトリック教徒は世界中で・・・





戸塚文卿著作集より

恩恵の教義が 信者に与える希望と慰安
カトリック教会は、一方においては、
その子らに 人生の終極目的としての 超自然的幸福を高く指示し、
同時に、他方において、この無限の幸福が イエズス・キリストの御功徳によって、
あらゆる人に分け与えられるために 準備されたものであることを教え、

また、一方においては、この世に生きる間は、
何ぴとも 救霊の絶対的確実性を持たないことを説いて われらに警告を与え、
他方において、神の救済意思が万人に及ぶがゆえに、
われらにして 自己の救霊を欲して、神の恩恵のみ業を妨げ、
あるいは、これをむなしくしない限り、
われらは 必ず救われて、かの無限の永福に到達しうることを保証する。

いかに修徳に精進した人にも 警戒を放棄するのを許さず、
かえって 主イエズスの完徳のご模範、聖母、諸聖人の神聖な生涯を示して、
もって絶えず彼を完徳の峰の登攀に招き、また、いかに罪悪の淵に沈んだ人にも、
神の御憐みの尽きざる泉、イエズスの御心の御姿を示して、
主は義人を呼ぶためならずして、
かえって罪人をいやすために来たりたもうたことを想起せしめ、
もって彼を改心に招く。

そして、両者にこの至難な修徳、あるいは改心のために
神の御助力の必要以上に十分であることを教えるのである。
実にカトリック教会の教義の中でも、恩恵に関する教義ほど、
われらに 希望と向上心と慰安と力とを与えるものは 他にないのである。
したがって、また、この教義ほど、人生に光明と幸福を与えるものは他にない。
カトリック教徒は世界中で最も幸福な人たちなのである。

余田