藤 野 メール  18/06/13


< 移民の国ですが >  





06/15

今朝の新聞に娘5人を連れて移住して来た
中米女性の記事がありました。
将来彼女の孫は20人位にはなるでしょう。

そして米国アングロサクソンはマイノリティーに。
米国の善意は大切ですが、ちょっと気の毒。
同じ事、日本では出来ないし、しないだろうし。

藤野秀樹




安嶋さん

先日来、暇にまかせてあれこれ書きましたが、
最後にもう一筆。

トランプ大統領が対外的に大暴れで、北朝鮮対話も
11月の中間選挙対策のパーフォマンスで終わらぬ事
を祈りますが、国内でもオバマ政策をまるで全否定で
暴れています。オバマを余程嫌いなのでは?

国内の大問題はこの移民の国の移民問題でオバマ遺産、
つまりリベラルとの最大の対立点と言えます。
移民局から何故米国籍をとらぬのかと嫌味も時折
言われますが、小生日本国籍を堅持してるので、第三者的
に観察している私見です。先ずは幾つかの事実のご紹介。

先日、今までは日本でいう背番号を付けた年金保険カードが
新しい表示に変わり、個人情報面で安全になりました。
ただこれまでは、英語のみ書かれてましたが、何とスペイン語
も併記されました。将来公文書はスペイン語併記への走りかと
驚いた次第。如何にラティノ、又はイスパニックと呼ばれる
メキシコ及び中南米系人口が増えたかを暗示してます。

元々ここ10年程前から、年金保険の文書には以下列挙の言語で
案内があり、質問先電話を表示してます。流石移民の国ですね。
アラブ、アルメニア、中国、ペルシャ、フランス、ドイツ、クレオール、
イタリー、日本、韓国、ポーランド、ポルトガル、ロシア、タガログ、
ベトナム。
スペイン語が抜けてますね。窓口で誰かスペイン語は判るから、
配慮不要で抜けてるのでしょう。

6月11日、セッション法務長官が中南米から押し寄せる家庭内暴力、
及びギャング暴力から避難する理由での亡命申請は認めないと
宣言しました。
確かに係る暴力は夫々の国の政府が対応すべき問題でアメリカは
駆け込み寺ではないですから。
係る亡命申請は女性の子供連れが多く、昨年子供は移民局が受け入れる
という情報が流れて子供や子供連れが殺到した名残もあるのかも。

2週間前にグアテマラ、ホンジュラスからキャラバンと称してバスを連ねて
400名以上がサンディエゴの国境に到着、亡命申請をしてメキシコ側で
キャンプを張る状態がTVに報道されました。これらの人を一人ひとり審査
を国境でやるには何日もかかりますが、係るオバマ遺産をセッション長官が
ストップをかけたものでしょう。リベラルと法廷闘争になるでしょう。

仮に一人を合法移民と認めれば、その親族が後から来ますので、
数字はどんどん増えます。中韓の移民が急増するのもこの為です。
トランプはかかる数字を改めるべく、移民本人の一親等以外の親族は
あとから来ても認めない法律を施行しようと揉めています。

米国内の1300万だかの不法移民の中、子供の時に親が連れて不法入国
した不法滞在者が成人して140万とか存在、彼らにオバマがDACAと略称
する法案を設け、申請すれば滞在を許可する事はご存じでしょう。
現在80万人が申請し普通に暮らしていますが、更新が必要で、これを
トランプは止めると言って、大揉めです。

カリフォルニアなどはサンクチュアリ州と称して、各自治体の警察は連邦管轄の
ICE (Immigration Custom Enforcement)に協力をしないで不法移民を守る
措置をしています。国外追放に値する不法滞在の犯罪者が出獄する日を
ICEに知らせることを禁じたり、企業経営者は不法従業員をICEに報告すれば罰金
とか徹底的に抵抗です。オークランド女性市長などICEの手入れを住民に
流し不法滞在者が隠れる手助けまでやらかしています。
家族が国外退去でバラバラになるのは人道に反するという主張です。

一方先月にかかる極端なサンクチュアリ州化にロス郊外の白人が多い
小さな市が半ダース程反対の旗幟を揚げ、連邦法は州法に優先すると
連邦のICEに協力しない州政府に反抗を始めました。一方トランプは
サンクチュアリの自治体には援助を止めると脅してます。

まだまだ色々起こっていますが、以上を考えるにトランプ公約のメキシコ国境へ
強固な壁建設はともかく、何らかの不法入国の歯止めは必要で、さもないと
長期的には中米あたりの人口の半分くらいは米国に移住してきてしまうのでは。
ラティノ系は早熟子沢山で6人くらいの子沢山は珍しくないので、米国は近い将来
彼らが人口のマジョリティーになるのは避けられぬでしょう。

ただ農業、建設、飲食店下働き等々辛い仕事は黒人、白人はやらないので、
黙々と真面目に辛い仕事をこなすラティノ系の移民も米国には絶対必要です。
為にこうしたラティノの人達に堂々と働ける滞在許可なども実現すべき課題でしょう。
我が家に来てくれる掃除婦オバサンはグアテマラ移民ですが、本当に良い人です。

最後に移民とは関係ないですが、カリフォルニアの行き過ぎリベラル。
州立大学に人種別に入学枠を設ける制度があります。入試点数が低くても
黒人なら入れるけど、それより好成績の白人は落ちるという事になる次第。
入試の機会を平等に与えるのは良い事ですが、上記は機会均等でなく結果均等
ですね。若者が努力をしなくなります。

国勢調査にはこれまで国籍記入は不要でした。トランプ政権が国籍記入に変えようと
していますが、カリフォルニアは反対してます。何故なら下院議員は人口比で
数が割り当てされます。つまり現行のデータでは選挙権のない小生なども選挙民
の数になる訳で、その分議員枠が多く取れるから、国籍表示に議員は反対なのでしょう。
政治家はどこも同じですね。

米国で物の発想が両極端に分かれているのがご理解頂けると思います。
中庸は無い物か。
日頃の気になる事柄を暇に任せて長々書き込みました。 これでしばらく休みます。

藤野秀樹